「ドイツ語って難しそう…」そう思っていませんか?
実は、発音や文法の観点から見ると、英語よりもシンプルで論理的な部分がたくさんあるんです。
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私が英語よりドイツ語が好きな理由

時制が少ない
英語は「現在形」「現在進行形」「過去形」「未来形」など時制の種類が多く、
ニュアンスの使い分けが難しいですよね。
一方、ドイツ語には進行形という概念はなく、また未来形もありますが、
基本的に現在形で表現することが多いです。
従って、日常会話では
現在形と過去形(perfekt)と丁寧語の助動詞+αが出来れば十分です。
基本的な会話がしたい場合、時制を意識することはないんですね。
もしドイツ語を齧っている方がいらしたら、
「いや、でも過去形って2つあるじゃん!」って思うかもしれないですが、
基本的に書き言葉と話し言葉で分かれています。
なので、そのルールさえしていたら混乱はないです。
補足にはなりますが、
ラテン語系のイタリア語やフランス語でもドイツ語のように過去形2つは存在します。
確かに使い分けにおいてルールはあるものの、
ニュアンスの違いがあるため、学習者の関門になっています。
しかし、ドイツ語では使い分けが明確なので、特に大きな障壁になることはありません。
そういうことも踏まえると、
基本的に現在形で英語の現在進行形や未来形などもカバーできるので、楽です。
ドイツ語が英語よりリスニングが簡単⁈

発音が文字通り
英語を学んでいて「これ、なんでそう読むの…?」って思ったこと、ありませんか?
英語の例
cough(咳)/kɔːf/
though(にもかかわらず)/ðoʊ/
through(通って)/θruː/
どれも "ough" なのに読み方がバラバラです。
さらに「th」の音、スペルと発音の不一致…。
appleも「アップレ」と書いて覚えていたのではないでしょうか。
確かにそんなこと意識したことないかもしれませんが、
ドイツ語ではどうでしょうか?
ドイツ語の場合
Hand(手)→ ハンド
Tisch(テーブル)→ ティッシュ
ドイツ語は、書かれている通りに読めるんです。
euは"オイ"と読むなど例外も少しありますが、二重母音のものを少し覚えたら、
基本的に毎回単語で発音記号を確認する必要がありません。
英語では毎回確認が必要ですが、ドイツ語なら一度ルールを覚えたら応用できます。
音の連結がない
ドイツ語では、英語のように「子音が次の母音とくっつく」リンキングは発生しません。
英語の場合
"far away" → 「ファーラウェイ」(far‿away)
"pick it up" → 「ピキダップ」(pɪkɪɾʌp)
ドイツ語の場合
Ich esse einen Apfel.
イヒ・エッセ・アイネン・アプフェル
Er ist alt.
エア・イスト・アルト
*カタカナはあくまでも目安
ドイツ語の場合は単語は単語ごとに、ハッキリ発音されるので、聞き取りやすいし、発音も楽です。
もちろん日常会話では多少の省略が起こります。
例えばich habe→ ich hab' など 文末の”e”が省略されますが、
英語ほど厄介な変化はありません。
メリット:リスニングやメモが圧倒的に簡単
以上をまとめる音声を聞きながらのメモするが格段にラクになること。
確かに「vとfどっち?」みたいなことはありますが、
そこまで困るケースはないです。
リスニング試験では音声を聞いてメモを取りますが、
音が聞き取れたら、その音のスペルはほぼ一通り。
スペルミスの心配がぐんと減ります。
実際、私はリスニングが得意でないんですが、
ドイツ語の試験ではリスニングで毎回9割近く取ることができました。
(自慢にもなりませんが英語のリスニングは平均以下で、
決してデキはいい方ではないです。)
スペルが多少間違っていても読めるし、
理解できるため大きな減点にはならないというのもあると思います。
ドイツ語が英語よりリーディングが簡単⁈

構造が明確で読みやすい
名詞は頭文字が大文字
ドイツ語では、すべての名詞の頭文字が大文字で書かれているので、一目で名詞と動詞が区別できます。
das Essen(名詞「食事」)⇔ essen(動詞「食べる」)
格変化で意味がハッキリする
英語は語順(SVO:主語-動詞-目的語)が重要で、順番が変わるだけで意味が変わります。
Maria eats the apple.(マリアがリンゴを食べる)
The apple eats Maria.(リンゴがマリアを食べる)
ドイツ語では名詞の格変化があるため、語順が変わっても意味がハッキリします:
Maria isst den Apfel.(マリアがリンゴを食べる)
Den Apfel isst Maria.(同じく:マリアがリンゴを食べる)
一方、もしリンゴが主語になる場合は:
Der Apfel isst Maria.(リンゴがマリアを食べる)
ここで重要なのは、冠詞がDer Apfel(主語・1格)かDen Apfel(目的語・4格)かで変わることです。
格(Kasus)で文法的な役割が一目瞭然
ドイツ語には4つの格があります:
この格の変化を見るだけで、その単語が文の中でどんな役割を果たしているかが即座に分かるんです。
単語がイメージしやすい
英語では単語の意味が分かりにくいことがあります。
英語の場合
「足」= foot
「歩行者」= pedestrian(ラテン語由来)
確かにpedestrianの"pede"が足を意味することを知っていたら、
わかるかもしれません。
しかしラテン語系の言語を勉強していない限り
歩行者と推測することは不可能です。
一方ドイツ語はどうでしょうか?
ドイツ語の単語は、日本語の漢字熟語のように、意味の組み合わせで構成されているんです。
ドイツ語の場合
Fußgänger(歩行者)
Fuß(足)+ Gänger
(行く人: Gehenの名詞と-erは○○する人)= 歩行者
Handschuh(手袋)
Hand(手)+ Schuh(靴)= 手袋
こういう単語の作りが多いので、意味を想像しやすく、覚えやすいのが特徴です。
2語覚えたら3語覚えたことになる、そんなお得感があります。
例えば
Krankwagen
Krankenschwester
Krankehaus
は何だと思いますか?Krankは病気、Wagenは車です。
schwesterは姉妹、Hausは家です。
正解は…
救急車、看護婦、病院になります。
もしすぐにわからなくても、
ambulance, nurse, hospitalよりは
簡単に覚えられそうですよね。
ちょっとした例外
形容詞ではラテン語由来の表現を使うことがあるので、それは覚える必要があります。
例えば:
Geschichte(歴史:名詞)
historisch(歴史的な:形容詞)← Geschichtisch は存在しない!
このような部分は個別に学習していく必要があります。
メリット:リーディングで圧倒的に有利

単語の意味がが推測できることもそうですし、
格変化やその他の文法をとっても、かなりその知識は読解するとき助けてくれます。
例えば、関係代名詞などの従属節(Nebensatz)、
つまりサブの文では動詞が文の最後に来て、カンマが来ます。
こんな文を見てみましょう:
Die Frau, die das Buch liest, ist schön.
(The woman who is reading the book is beautiful.)
Die Frau ist schön (その女性は美しい)
die das Buch liest →die(1格)がdie Frauの関係代名詞、das Buch(4格)が目的語
つまり重要なことはdie das Buch liestが
補足の情報としてついているなって一目瞭然ってことです。
*補足情報ではルールとして動詞が文の文末にくる
また格の変化で、何が主語で何が目的語なのかもヒントになります。
一方で英語の方はisがなのにかかっているのかというのがパッと見てわかりません。
もちろんシンプルな文であれば、大したことはないですが、
難関な文章を読むとき、これらの文法知識は構造を知る上で役に立ちます。
初めは覚えるのが大変ですが、一度マスターすればかなり強い味方になります。
特に難しい論文や、本など読むときにかなり役立ちます!
初めは意味が分からないかもしれませんが、
それは特にC1レベル以上になりたいあなたを助けてくれる知識になります!
まとめ:ドイツ語は明確で迷わない!
ドイツ語は一見難しく見えるかもしれませんが、
発音・構造・文法・語彙の面では、英語よりもシンプルで論理的な部分が多いです。
さらに、ドイツ語は格変化や名詞の性など、覚えることがたくさんあります。
しかし、文法を味方にしたら、英語よりも楽になる部分がたくさんあるんです。
ドイツ語はルールがしっかりしているからこそ、
非ネイティブの学習者にとってかなり学びやすい言語だと思います。
もちろん私も今でも苦労はしてますけどね。
一緒に頑張りましょう。
