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【アート】美術史大生が教える | 美術館巡りするならドイツ!#artravel

私はルーブル美術館やオルセー美術館などのパリも好きだし、イタリアが大好きです。
しかしその陰に隠れている(?)と一見思われているドイツですが、いやそうでもないぞというのが今回のお話です。

美術館が好きな人こそ、ドイツの美術館へ行ってほしいという思いをこめて、
今回はドイツの美術館の良さをお伝えしたいと思います。

 

ドイツがヨーロッパで一番Museumが多い?

世界のMuseumランキング

まず、美術館や博物館の数を見てみましょう。
Museum-ranking
以上のことからヨーロッパではドイツが最も多いことが分かります。

因みにフランスは1200館程度らしいです。
アメリカはヨーロッパくらいの大きさがある国なので、
数でいくと圧倒的に多いのは頷けますが、
ドイツはヨーロッパ内で存在感を示しています。

特徴比較

アメリカは印象派以降の近代/現代美術や自然科学、
ポップカルチャーに関連する博物館が多いのに対し、

ヨーロッパ諸国、とりわけフランス、イタリア、ドイツは、
美術史における重要な時代のコレクションがあります。

その中でも、ドイツは独自の強みを持っています。
以下に、ドイツの主要都市の美術館とその特徴をまとめます。

ドイツの美術コレクションの質と特徴

ドレスデン(アルテ・マイスター絵画館)

まずは私が一番好きな美術館はドレスデンです。
街がバロックで華麗な一面を見せる一方可愛らしいお店や内装の教会があります。

それでありながら、美術愛好家にとって見逃せない都市です。
このアルテ・マイスター絵画館は美術館の原型である市民のための美術館としてルーブル美術館よりも1世紀も前に創立しました。
それは今までの貴族や権力者のものではなく、『開かれた』最初の美術館とも言えます。

さらにそういった文化的な背景だけではなく、作品も一流です。

代表的な収蔵作品

  • ラファエロの《システィーナの聖母》
  • フェルメール《窓辺で手紙を読む女》
  • ジョルジョーネ/ティツィアーノ《眠れるヴィーナス》
  • コレッジョの《聖母のいる聖夜》


特にラファエロの《システィーナの聖母》は、世界中から注目される傑作です。
(サイゼリヤのあの天使は実はここにいる天使だったんです。)

イタリア美術史15-16Cを研究している身としては
イタリア美術史の名画が多く特に巨匠コレッジョの大作が数点あるのが嬉しいポイントです。

イタリア美術を学んでいるものはイタリアの他にドレスデンは必須と言われています。

因みに…

日本では知名度がないコレッジョですが、ルネサンスの5人の巨匠に
レオナルドダヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ、ティッチアーノ、コレッジョと言われています。

この眠れるヴィーナスが元祖『横たわる女性』として描かれていて、
このパロディーがたくさんあります。有名な作品だとティッチアーノやマネなどが描いています。

ベルリン(博物館島)

ベルリンの博物館島は、ユネスコ世界遺産にも登録されている文化の宝庫です。
この博物館島を一つの施設と考えるとルーブル美術館の規模になります。

主要美術館

  • アルテ・ナショナルギャラリー(19世紀美術)
  • ペルガモン博物館(古代ペルシア)
  • 新博物館 (古代エジプト)
  • 旧博物館 (古代ローマギリシア)
  • ベルリン絵画館(Gemäldegalerie)

アルテ・ナショナルギャラリー(19世紀美術)では
ドイツの近代的な絵画を見ることができます。
(Alteは古いという意味ですが、作品自体は新しいです。)

フランスの印象派もコレクションにありますが、
ドイツの印象派と比較できる点が面白いと思います。

新博物館のネフェルティティの胸像は
(私が勝手に)『ベルリンのモナリザ』と呼んでいます。

ペルガモン博物館はペルシアの建物が迫力がありますが、
2027年まで閉館されています。

ベルリンの絵画館は、博物館島ではないですが、
北方ルネサンスやバロック美術の名作を多く収蔵しています。
馴染み深いものですと、レンブラントやフェルメールの作品があります。

ミュンヘン(アルテ・ピナコテーク)

南部の文化都市ミュンヘンも、世界的な美術コレクションを誇ります。

代表的な収蔵作品

  • ルーベンスの大作
  • ヴァン・ゴッホ《ひまわり》
  • デューラー《自画像》

イタリア・ルネサンスからバロック、さらには印象派まで幅広い作品を展示しています。

因みに…

ゴッホ《ひまわり》は全部で7作品あります。
そのうち一つ焼失、個人蔵の他は5点のみが美術館で観ることができます。
東京、アムステルダム、ロンドン、フィラデルフィアとそしてミュンヘンです。
アムステルダムとロンドンは人だかりができていますが、
ミュンヘンはノーマークでゆっくり鑑賞できます。

フランスとドイツの美術館比較

規模|中規模レベルが分散して多い

ルーブル美術館は規模で群を抜いていることは確かですが、
過度に宣伝された部分もあります。

確かにモナリザは価値ある作品で、名画です。
しかしイタリアと比肩するために、
当時のフランスが過度に誇張した宣伝も否めないです。

一方ドイツはルーブル美術館のような巨大な美術館はありませんが、
地域ごとにそれでも比較的大きな美術館が分散しています。

学術性と展示

(こちらはドレスデンのアルテマイスター絵画館の写真。)

ドイツの美術館は、展示物に関する詳細な解説や文脈の提示が充実しています。
訪問者が美術の背景や技法を深く理解できる環境が整っています。

個人的には私はドイツの美術館が好きな理由は

  • 無料のオーディオガイドのレベルが高い。
    アプリなどで調べることができたり、
    無料でオーディオガイドが付いてきます。
    (基本的にドイツ語と英語ですが)
  • セクションごとにきれいに分かれていて見やすい。
    例えば、東棟はイタリアで、西棟は北方(ドイツオランダ)
    さらに時代も見事に分かれていて、見やすいです。
    イギリスのナショナルギャラリーに行ったときは画家も点在していて、
    鑑賞しずらかったです。

鑑賞のしやすさ

フランスのルーブル美術館やイギリスのナショナルギャラリーは
人が多く、結構疲れてしまいます。
多くの人が有名だからという理由でルーブル美術館に行ってしまうからです。
入るのにも時間がかかってしまったりします。

ドイツは質の高いコレクションがあるものの、
人が比較的少なくて、ゆっくりと鑑賞ができます。

ドイツ美術館の魅力

ドイツを一言でいうならば「質の高い分散型コレクション」です。

特にイタリア・ルネサンスやバロック美術、北方ルネサンスにおいては、
フランスに劣らない作品が数多く存在します。

規模や華やかさではルーブルに及ばない部分はありますが、
アルテ・マイスター絵画館やピナコテークのような施設は、
質・学術性・鑑賞環境でとても魅力的です。

確かにパリやローマなどの巨大な美術館には敵わないものの、
それは分散されているからこそ、観光客が集中せず
より静かにゆっくりと絵画の世界に浸ることができます。

色んな都市を見ながら美術館に立ち寄る美術館巡りでは最高なのではないでしょうか?
ぜひ次回の美術館巡りでは、ドイツを訪れてみてはいかがでしょうか?

印象派について興味がある方はこちらのブログをどうぞ↓↓

  • この記事を書いた人

Riko

2020年に経済学卒業。 2022年2月よりワーホリでドイツへ渡航。ドイツ語C1レベル相当取得し、 2024年春よりドイツの大学正規留学で美術史を学びながら、イタリア語も奮闘中。ゆくゆくは第二外国語のフランス語(A1)も美術史のために学びたいと考え中。(詳しくは家ボタンを押してね)

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