ここでは特に大学へ行くドイツ語がどれくらい必要なのか、ということを詳しく説明していきます。
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ドイツの正規留学で必要なレベル
C1 Hochschuleが必要
正規留学するためにはおおよそ*C1レベル必要です。
個人的にはDSH合格が一番得策です。
(*ここでおおよそと書いたのには、
学部によってレベルが変わるからです。後に説明します。)
また、大学に特化した『Hochschule』のC1レベルは
普通のC1レベルとは全く別ものなので気をつけてください。
英語の検定でいうとIELTSのアカデミックみたいなものというと
わかりやすいかもしれません。
試験の種類はDaF、TELC(Hochschule)、DSH、Goethe C2*とあります。
(*ゲーテの場合はHochschuleがないため、C2の合格が必須です。)
個人差はありますが、
DaFがいいという人もいますが、私はDSHの受験が一番いいと思います。
DSHについて
DSHとは?
正式名称は『Deutsche Sprachprüfung
für den Hochschulzugang』といいます。
各大学が設けているテストです。
DSH Beispiele
DSHのサイトには過去問題も載っています。
大学によって系統は様々です。
例えば、Schreibenでは私が受験したゲーテ大学(フランクフルト大学)では
単にグラフを読み取りではなく、
テーマに対しての賛成、反対をデータを元に主張することが求められます。
正規留学で必要なDSHのスコアとは?
DSHはDSH1,2,3とあり、
DSH1がB2レベル、DSH2がC1.1レベル、DSH3がC1.2レベル相当です。
合格ラインが57%でDSH1、67%でDSH2、83%でDSH3となります。
しかしDSH3はC2と表示されているものもあるので、
あくまでも目安として考えてみてください。
そして一般的には芸術系の学部の場合DSH1。医学部、法学部はDSH3。
その他の学部は基本的にDSH2を求められることが多いです。
DSH2という判定基準について、
ここでは一般に必要なDSH2について解説します。
筆記テストHören、Lesen、Schreibenの合計の割合になります。
ここでは合計なので、例え一つが悪くても何とか挽回できます。
友達はSchreibenで失敗して、58%しか取れませんでしたが、
Hören、Lesenで8割以上を取り、DSH2を獲得しました。
しかし筆記テストと口頭試験ではどちらもDSH2を取得する必要があります。
筆記テストがDSH1でいくら口頭試験がDSH3でもDSH1です。
私はDSH3の筆記テストで口頭試験でDSH2だったので、DSH2です。
友達はDSH2の筆記テストで口頭試験でDSH3で、DSH2です。
つまり、低い方が基準になります。
なので、筆記テスト内でのスコアは挽回できるけど、
口頭試験と筆記テストのスコアは最低DSH2が必須です。
DSHのメリットとデメリット
メリット
1: 試験官が自分の知っている先生
特にテストで緊張している時に知っている先生だとまだ話せます。
最初に筆記テストについて軽く話してから
本題のテストが始まるので比較的リラックスして話せます。
それに先生も落そうと思って採点はしていないはずなので、優しいです。
2: リスニングが先生の音読
え?音読?と思われるかもしれませんが、
先生も受験者が目の前にいる中音読します。
先生もただ音読するのではなく、ゆっくり音読してくれるので、
リスニング対策していたものよりはるかに聴けるし、問題も解けます。
3: 結果が比較的すぐに知れる
夏季は筆記テストが3週間くらい、
口頭試験はその場で合格、不合格か知れる。(次の日に証明書がもらえる)
冬季で異なりますが、冬季はクリスマス前というような感じで
1週間後に筆記テストの結果、
口頭試験もその1週間以内で3週間程度で全てが完了。
4: 金額が他のテストよりもお手軽
DSHは130€
四技能の試験にしてはまだ安い方。
Goetheの場合は355€、TELC Hochschule 220€ DaF 210€ということを踏まえると
一目瞭然かと思います。
デメリット
1: 年に2回しか開催されない
大学進学も年に2回なので、一か八か、みたいなストレスはあります。
学部によっては特に小さな学部や大学院だと
冬学期からしか受けつけていない場合があるので、
半年間待たなくてはいけない可能性もあります。
その場合は違う学部、もしくは副専攻の学部を専攻で取ったりして、
大学に慣れる半年間にする友達もいますし、
それはそれでアリだと思います。
2: 大学によっては他大学のDSHを受理しないことがある
例外もあるので、本命の大学に問い合わせください。
しかし、基本的にはDSHは本命の大学で受けることが無難です。
3: 大学によって対策がほぼ必須
大学によって対策が様々なのでDSHの準備コースに入らないと合格は厳しい。
とは言っても、他の試験でも同じような問題ですので、
準備コースに入るのはDSHを受験するだけのためだけではなく、
アカデミックなドイツ語に慣れる準備段階と言えるので、
そこまでデメリットではないと思いますが、一応書いておきます。
DSHの準備コースについて
DSHの準備コース
DSH試験を受ける場合はDSHの受験は外部からもできますが、
DSHの準備コースに入るのがお勧めです。
この準備コースに入るにあたって、大学への入学をします。
B1レベル合格証明書+大学入学で必要な書類
願書が年に2回です。
私は10月にB1レベルを受験し、11月末に合格証を受け取りました。
締め切りも11月末で合格証が1日遅れていたら、半年間待つ羽目になりました。
ここでもメリットは
試験の対策できるのは勿論、
学部入学はまだですが、大学へは入学しているので、学生証があります。
学生証というのは日本より使える代物で
学生料金で美術館など行けるのはもちろん、
定期代も不要で在来線に乗り放題*で大学の図書館も使えます。
さらに、同じ大学に通う友達ができるのは有難いですね。
(2024年現在はDeutschlandticketのおかげでドイツ内全ていけますが、
そうでなかったとしても、大学が所属している州では乗り放題です。)
そして準備コース自体の金額が
他のコースに比べて安価。
授業料700€の中に教材費が含まれています。
加えておおよそ250-350€くらい見積もってください。
(大学の設備費は大学によって異なります)
3ヶ月で1000€とすると、1ヶ月約335€ (1週間20時間)
夏季の方が祝日も多いですが、イースターなどの春休みもあり、
ゆっくり学べるのでお勧めは夏季です。
因みに単独のコースB2レベルなど1ヶ月400€+教材費なので、
B1レベルを合格して、タイミングがあうならば、断然
DSHの準備コースに入るのがいいと思います。
DSHの準備コースの入学の仕方
Uni-assist
Uni-assistでまずは正規留学の申請をします。
1: あくまでもドイツ人と同じく大学への入学申請をします。
2: 専攻したい学部を選び、入学に必要な書類、高校卒業証明書などを添付します。
項目を入力していくときに
3: 外国籍です。ドイツ語の必要レベルを持っていません。
ということで、
4: 正規留学は出来ずにDSHの準備コースへの案内があります。
それから大学のDSHのコースからメールが来るので、
入学前のテストなどの通知に従ってください。
まとめ
正規留学するためにはHochschuleのC1レベルが必須ですが、
それを取得するにはDSHが得策で、
スコアはDSH2*を取得する必要がある。
直接受験することも可能だが、
対策が求められて、過去問題と異なるケースもあるため、
DSH準備コースに入った方がいい。
DSH準備コースに入るためには最低B1レベルの合格が必須ということになります。
DSH準備コースまで入れば、大学に入学は果たしているので、
学生の身分、大学の施設は利用できるため、
B1レベルに合格することがひとまずの目標になるかと思います。
いきなりC1レベルとなると、ムリだって思ってしまいますが、
まずは一つ一つこなしていきましょう!