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【留学】日本の大学って実は良かった?ドイツの大学と比べて思うこと

ドイツと日本の大学を比べて思うこと


私は日本の大学を卒業した後、現在はドイツの大学で再び学士課程を学んでいます。
その両方の経験を通じて、
日本とドイツ、それぞれの大学の良さや難しさについて書きたいと思います。

ここでは、自分なりに感じた日本の大学の「良いところ」と、
ドイツの大学で感じる「ちょっと大変なところ」をまとめてみます。

多くの場合は海外の大学では…といい、日本の大学の問題点ばかりに目を向けますが、
結局は「隣の家の芝生は青い」だと思います。

日本の大学の良いところ

定期的なレッスンを受ける

友達ができやすい

日本の大学では、学科ごとにカリキュラムがある程度決まっており、
同じ授業を受ける学生が多いため、自然と友達ができやすい環境があります。
サークルや部活などの課外活動も盛んで、
交友関係を広げるチャンスが多いと感じました。
さらにゼミでもその教授のゼミ生ってことで、
先輩とも仲良くなれたりできるのはとてもよかったです。

教授が親しみやすい

教授は一教育者として親しみやすく、またゼミ活動や合宿があります。
私は特に授業後に教授とちょっとした雑談したり、
他の学生と一緒に教授とお茶したりしていたので、
そこで友達ができたりしました。

広く浅く学べる

これは一長一短ではあるけども、必修以外の自由選択科目も豊富で、
専門にとらわれず幅広い分野を学べるのは日本の大学の魅力です。
たとえば、私は社会学や中世ヨーロッパ史など、
興味のある分野を自由に選んで学べました。
まず視野を広げたい人にとっては、こうした柔軟さはありがたい点だと思います。

ドイツの大学で少し大変だと感じるところ

友達ができにくい

同期で仲良くするというような概念はないです。
また科目選択の自由度が高く、履修する授業もバラバラなため、
せっかく仲良くなっても一緒に過ごすのは
1つの講義とその前後の10分くらいになってしまいます。

おまけに仲良くなった子は副専攻だから、
あまり一緒にならないということもありがちです。

一応小さい学部、例えば日本学などは言語のコースで一緒だったり、
科目選択が一択しかないので、
2年くらいは同期というようなイメージで友達が作りやすいように感じます。

部活やサークルのような活動がほとんどないため、
友達作りには積極性や社交スキルが必要です。
個人的には、友達がいなくても大丈夫なタイプか、
かなり外交的な人でないと厳しいかもしれません。

教授との距離がある

もちろんフレンドリーな教授もいますが、
全体的には教授=研究者というスタンスが強く、
教育者という意識はあまり感じられません。
そのため、ゼミの合宿や授業外での交流はほとんどありません。

自分の語学力の問題もありますが、
日本の教授と比較してしまうと、
どうしてもその距離を遠く感じてしまいます。

一つの分野を深く学ぶスタイル

ドイツの大学は「専門性」に重点を置いており、
一つのテーマをとことん深く掘り下げるスタイルです。
私は16世紀のイタリア美術史を学んでいますが、
それ以外の時代や地域の美術について講義で触れる機会はほとんどありません。

もちろん、知識が深まるという利点はありますが、
全体の流れやバランスをつかむのは難しくなります。
その点、日本ではいろいろな分野を広く学べたので、
最初の段階では「広く浅く」も悪くないと思っています。

教え方が難しいと感じることもある

ドイツの大学では、スライドを中心に進められる授業が多く、
黒板に板書して要点を整理するようなスタイルはあまり見かけません。

特に美術史では、スライドに説明やポイントが書かれていないことも多く、
内容の理解が難しいことがあります。
加えて、言語の壁もあるため、教え方と理解の難しさが重なって、
授業についていくのがかなり大変に感じることもあります。

まとめ

最近思うこと

こうして比べてみると、
日本の時に聞いていた「海外の大学は…」という文句は結局いい側面を見ていただけのように感じます。

海外大学の良くない部分もあるし、
日本の大学のいいところ/悪いところもあります。

正直「日本の大学って意外と良かったな」と思うことがあります。
特に、私は多くの教授に親身になってもらったこともあり、
学びの場としてとても快適だったと感じます。

もちろん、ドイツの大学には年齢にとらわれず、平等に学べます。
「自分のペースで学問と向き合える」という良さもあります。

つまりそれはコインの裏と表の関係のように、一長一短なので、
私は「必ずしも100%正規留学が最善」だとは思っていません。

それでも、ドイツでしか学べない分野がある人や、
専門的に深く学びたい人にとっては、挑戦する価値がある環境だと思います。
たとえ大変でも、そこには確かに「学ぶ楽しさ」があります。

最後に

大学選びに正解はありませんが、
自分の学びたいスタイルや環境に合った場所を選ぶことが何より大切だと実感しています。
この文章が、留学や進学を考えている方にとって少しでも参考になれば嬉しいです。

もしドイツで学ぶ大変さとそれでも頑張り続ける理由を書いています。↓↓
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