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【ドイツ語】Dativ(3格)完全マスター!使い方・動詞・前置詞まとめ #気まぐれドイツ語

ドイツ語学習を始めると、「格変化」という壁にぶつかることが多いです。その中でもDativ(3格)は特に重要で、理解することでより自然な表現ができるようになります。このブログでは、Dativの基本的な使い方、よく使われる動詞、前置詞、そして例文をわかりやすく解説します。

ドイツ語:英語と似たDativの用法

これは日本語で覚えるより、
ドイツ語や英語で感覚で覚えることが大切です。

Dativ:動詞の受け手

ドイツ語には、「1格(Nominativ)」「4格(Akkusativ)」「3格(Dativ)」などの“格変化”があります。

Akkusativ(4格)

Ich esse einen Apfel.
(私はリンゴを食べる)
einen ApfelAkkusativ(4格)

ここではDativとAkkusativを取る例を見てみましょう。

Dativ(3格)

Er gibt mir einen Apfel.
(彼は私にリンゴをくれる)

He gives me an apple.
→He gives an apple to me.

Dativは、動詞の受け手ということです。
つまりここではリンゴをあげる行為はerで、mirはerの行った「受け手」ということになります。

存在や状態の受け手を表すDativ:SVOC構造

存在や状態の“受け手”を表すDativは、英語のSVOC構造に似ています。

it makes me happyでは、
何か(it)→私(me)=幸せ(happy)

となりますよね。
あえて日本語で訳さないでイメージで覚えましょう。

ドイツ語の表現と比較

Mir ist kalt. (私は寒い)

Es ist mir kalt.
(esは省略されます。)
Es → mir =kaltということができます。

そしてこのesというのは天気、気温の低さなどの状況です。
つまり気温が低い(es)→私mir=kaltということです。

Mir ist langweilig.(私たちは退屈だ)

これも文法的には「es ist mir langweilig」です。
(es = 状況・雰囲気など)
Es→mir=langweilig

Mir geht es gut.(私は元気です)
es geht=うまくいく、進む(抽象的な進行・状態)
調子(es) geht→mir=gut

つまり、「何かから“影響を受ける”」 というイメージで

それから自分=形容詞(状態)になるというイメージです。

但し、すべてのDativがこの感覚で説明できるわけではなく、
Dativの英語と似たような用法の一つです。

ドイツ語:英語にないDativの用法

よく使う!Dativを取る動詞一覧

そして、ドイツ語が英語と違う点はDativを取る特定の動詞があるということです。

ここからは上記のことは忘れてください。

上記の解説はDativそのものを理解する上では大切ですが、
ここではAkkusativの代わりにDativを取る動詞があるんだな、と割り切ってください。

そして、この動詞はAkkusativを取るものよりも少ないため覚えちゃいます。

B1レベルまでなら、重要な動詞は10個くらいです。

以下は、代表的な「Dativを取る動詞」です:

動詞 意味 例文 日本語訳
helfen 手伝う Ich helfe meinem Freund. 私は友達を手伝う
danken 感謝する Ich danke meiner Mutter. 私は母に感謝する
glauben 信じる Ich glaube dir. 私は君を信じる
gefallen 気に入る Das Kleid gefällt mir. そのドレスは私にとって気に入っている
gehören 属する Das Buch gehört mir. その本は私のものだ
passen 合う/似合う Die Schuhe passen mir. その靴は私に合っている
folgen 従う/ついて行く Ich folge dem Lehrer. 私は先生に従う
antworten 答える Er antwortet mir. 彼は私に答える
zustimmen 賛成する Ich stimme dir zu. 私はあなたに賛成します

Dativ支配の前置詞も要チェック!

さらに、ドイツ語では前置詞でもDativやAkkusativと決まっています。

これは「Dativ支配の前置詞」と呼ばれ、後ろに来る名詞を必ずDativに変化させます。

Dativ支配の前置詞は以下の通り:

前置詞 意味 例文(ドイツ語) 日本語訳
aus ~から Ich komme aus Deutschland. 私はドイツから来た
bei ~のところで Sie wohnt bei ihren Eltern. 彼女は両親のところに住んでいる
mit ~と一緒に Ich fahre mit dem Bus. 私はバスで行く
nach ~へ/~のあとで Nach dem Essen gehen wir spazieren. 食事の後に散歩に行く
seit ~以来 Ich wohne seit einem Jahr in Japan. 私は1年前から日本に住んでいる
von ~の/~から Das Geschenk ist von meiner Freundin. そのプレゼントは私の友達からのものです
zu ~へ Er geht zu dem Arzt. 彼は医者のところへ行く

 4格と混同しがちな前置詞に注意!

たとえば「für(~のために)」「durch(~を通って)」などは4格(Akkusativ)支配です。

また両方を取る前置詞もあるので、その前置詞についてはコチラのブログ↓↓

補足:Dativの形はどう変わる?定冠詞・不定冠詞の変化表

Dativになると、名詞の前の冠詞(="der", "ein"など)も変化します。以下に、主な冠詞の変化を表でまとめました:

男性 中性 女性 複数
1格 der das die die
4格 den das die die
3格 dem dem der den(+名詞に-n)

複数形のDativでは「-n」を忘れずに!

複数名詞がDativになるときは、「den + 名詞に**-n**」というルールがあります。

Ich spreche mit den Lehrern.
(私は教師たちと話している。)

【1格NOM】die Lehrer(pl)→【3格DAT】den Lehrern(pl)

まとめ

Dativは、英語に似た用法もありますが、英語にはない用法もあります。

特にDativの目的語しか取らない動詞/前置詞があるというのは英語の概念で考えてしまうとよくわかりません。
その点は英語ですべてを理解しようとするのではなく、英語を比較対象で見てみてください。

しかし、これはすべてを一気に覚えようとせず、一つ一つ慣らしていきましょう。

  • この記事を書いた人

Riko

2020年に経済学卒業。 2022年2月よりワーホリでドイツへ渡航。ドイツ語C1レベル相当取得し、 2024年春よりドイツの大学正規留学で美術史を学びながら、イタリア語も奮闘中。ゆくゆくは第二外国語のフランス語(A1)も美術史のために学びたいと考え中。(詳しくは家ボタンを押してね)

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